compsapi.com / ベストオファー乖離の調査

eBayはベストオファーの本当の成約額を公開していない

5,859件の成約取引を突き合わせたところ、公開落札ページの表示価格は99.0%の確率で買い手の支払額より高く、その中央値は14.9%でした。カテゴリ別の乖離と、その価格を基準にしている仕組みへの影響をまとめます。

何を測ったか

ベストオファーで成立した取引の場合、eBayの公開落札ページに表示されるのは出品価格であり、買い手が実際に支払った金額ではありません。成立額はそのページのどこにも載っていません。つまり公開ページを読んでいるツール、スプレッドシート、スクレイパーはすべて高すぎる数字を報告しており、しかもデータの中に「どれだけズレているか」を示すものは何もありません。

私たちは両方の数字を持っているので、その差を実測しました。2026年10月10日までの90日間、12カテゴリ、93件の検索から、成約したベストオファー取引5,859件を5,840件の個別出品にわたって突き合わせています。各取引は商品IDで照合しているため、出品価格と成立額は同一商品の同一取引のものです。除外した行はありません。

結論

成約したベストオファー取引の99.0%が、公開落札ページ上では実際より高く表示されていました。誤差0.5%以内で一致したものが0.7%、実際より低く表示されたものが0.4%です。

  • 乖離の中央値は14.9%。典型的なベストオファー取引は、成立額よりおよそ7分の1高く見えます。
  • 上位10%では40.8%。10件に1件は、5分の2以上も高く表示されています。
  • 金額加重でも14.2%。動いた金額すべてを対象にした数字なので、中央値が安価な商品に引っ張られた結果ではありません。
  • 成立額の中央値は240ドル、対する出品価格の中央値は284ドルでした。
乖離の大きさ成約ベストオファー取引に占める割合
5%超89.2%
10%超68.9%
25%超23.4%
50%超5.9%
100%超0.8%

カテゴリ別

12カテゴリすべてが金額加重で11%を超えています。値下げ交渉が多いカテゴリほど悪く、売り手が高めに出して交渉前提で構えているカテゴリが最悪です。

カテゴリ照合件数高く出た割合乖離の中央値上位10%金額加重
自動車パーツ22896.9%12.2%51.3%23.9%
スニーカー85799.9%20.0%50.0%22.0%
鑑定済トレーディングカード39099.7%15.7%40.0%17.3%
ジュエリー65299.1%17.6%55.6%16.8%
ブランドバッグ72398.9%17.5%46.7%15.8%
ゲーム機とソフト44699.8%14.7%36.4%15.7%
スマホとタブレット30099.7%10.0%35.9%15.3%
ゴルフクラブ59999.3%13.7%33.3%14.5%
楽器36598.4%13.2%33.3%14.4%
コインと地金36298.1%11.1%30.0%13.2%
高級腕時計65598.0%11.2%31.2%12.1%
カメラとレンズ28297.9%11.1%25.0%11.5%

日本から輸出される定番カテゴリが、まさにここに並んでいます。カメラとレンズが11.5%、ゲーム機とソフトが15.7%、鑑定済トレーディングカードが17.3%、楽器が14.4%。日本の中古在庫を海外相場で値付けしている方にとっては、他人事の数字ではありません。

なぜ公開ページには出ないのか

ベストオファーは買い手と売り手の個別交渉です。eBayは「売れたこと」と「いくらで出品されていたか」は公開しますが、合意した金額は公開記録から外しています。解析すべき項目も、それを引き出すクエリも存在しないので、スクレイパーの精度を上げれば解決する類の問題ではありません。その数字はページに載っていないのです。

だからこそ、同じ落札ページを読む2つのツールは同じ間違った答えを出し、しかもその誤りは表に出ません。レスポンスを見ても何もおかしく見えないからです。24,995ドルで出品され15,500ドルで成立した腕時計は、公開ページを読む限り、誰にとっても永遠に24,995ドルの取引として記録されます。

あなたの数字に何が起きるか

この誤差は一方向にしか出ません。ベストオファーが出品価格を超えて成立することはまずないので、影響を受けた相場データはすべて同じ方向に見積もりを押し上げ、打ち消し合うことがありません。

  • 値付け。中央値で14.9%高い相場を基準に出品するので、市場より上に張り付いたまま、なぜ売れないのか分からなくなります。
  • 仕入れと買取。実在しなかった上限価格まで払ってしまい、想定していた利益は最初から存在しません。
  • 査定と保険。人が保険をかけるカテゴリほど評価額が高く出ます。鑑定済トレカは金額加重で17.3%、ジュエリーは16.8%です。
  • 学習データ。出品価格を食わされたモデルは、誰も払ったことのない価格水準を学習します。

手法と、この調査が言っていないこと

各ペアの両側は、同じ商品IDの同じ取引から取っています。出品価格側はeBayの公開落札ページが実際に表示していた金額で、これは競合ツールが読んでいるものとまったく同じです。成立額側は取引が実際に成立した金額で、私たち自身のデータです。

限界も正直に書きます。

  • 90日間、12カテゴリ、93検索であり、eBay全体の悉皆調査ではありません。他のカテゴリでは数字が変わります。
  • 対象は成約したベストオファー取引のみです。eBayの全取引のうちどれだけが交渉経由かについては何も述べていません。その比率はカテゴリによって大きく異なります。
  • 5,859件のうち3件は成立額が5ドル未満で、ほぼ確実に開始価格か解析ミスです。10ドル未満の行をすべて落としても中央値は14.9%から14.8%、金額加重は14.2%から14.0%に動くだけなので、結論はそこに依存していません。同じ理由で、最悪の出品ではなく中央値と上位10%を示しています。
  • 0.4%のペアは公開ページのほうが低く出ていました。除外せずそのまま報告しています。
  • 1つの出品が期間中に複数個売れた場合、成立額はその出品の成立オファーの平均です。これらのカテゴリではほぼすべてが単品出品です。

実際の成約額を取得する

CompsAPIは取引が実際に成立した金額を返します。無料プランを含む全プランで利用でき、各行の best_offer を見れば、その取引が交渉によるものかどうかが分かります。best_offer=only を渡せば交渉成立分だけを取得できます。

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ドキュメントとサポートは現在英語のみですが、ご質問は keys@compsapi.com まで日本語で送っていただいて構いません。

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